良いシニア指導をするには、生徒さんをよく理解するのが一番。
と考える私は、ピアノレッスンについて生徒の立場から書いた本
『老後とピアノ』(稲垣えみ子様著)
を購入して拝読しました。
うふっ、そうなんだぁ、わぁ……
引き込まれるように読ませて頂きました。
ただ、
「私が教えている生徒さんの指導には、参考にならないなぁ。。。」
と、すぐに感じました。
次の2点からです。
(1) 著者のレッスン開始年齢が、53歳。
(50歳で早期退職して、3年後にピアノ開始とのことなので、53歳?)
60歳から65歳の間に、ほとんどの人に「エイジング(加齢・老化現象)」の兆候が表れます。
このエイジングにより、50代と60代では、能力が大きく異なり、
とうぜん学び方も変わってきます。
50代の人が、
・「我ら中高年にはもう時間がない(p.70)」
・「そろそろボケがきている身としては(p.221)」
・「私の人生のデッドラインも刻一刻と容赦なく近づいてきている(p.217)」
などと書いているのを読むと、
「50代は、人生100年の、まだ半分を少し過ぎたばかり。
老後なんて、まだまだ先。
若いえみ子さん、弱音をはかず、がんばって! 」
と、お尻をたたきたくなる私。
84歳で初めて習った生徒さんに、92歳まで教えたことがありますが、
彼なら、「老後とピアノ」という言葉を使っていいと思います。
(2) 著者は、子どもの頃に習っていた再開者とのこと。
(小学校に入る前から中学にあがるまで習っていたそう。)
……つまり、60歳を過ぎて「まったくの初心者」から始めた生徒さんとは、
も能力も学び方大違い。
というわけで、シニア生徒さんの参考にはなりませんでした。
ただ、読んでいて面白い。
理由は、さすが元新聞記者さんだけあって、文章がお上手なのです。
説得力ある言葉がポンポン飛び出し、
うんうん、そうかそうかぁ。。。と、引き込まれてしまいました。
(その文章力、分けてほしい)
100%読むはずないと分かってはいますが、
ダメ元で書いておきましょう。
稲垣えみ子様へ
お願いがあります。
『エイジング』を経験するであろう65歳過ぎに、
もう一度、続編『老後とピアノ-第2弾-』を、書いてください。
私、買いますので、よろしくお願いいたします。
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