『連弾:ラデッキーマーチ』はうまく合ったのに、
『連弾:ピアノ協奏曲No.1(チャイコフスキー)』はうまく合わないのは、なぜ?
と、昨日のブログで書きました。
合わない理由を考えてみましょう。
<難易度>
・難しくて自分の演奏で精一杯のため、メトロノーム音や相手の音を聴く余裕が無くて合わない。
・本人にとって難しい箇所で、精神的に焦ってしまい、どんどん速くなる傾向。
・本人にとって難しい箇所で、読譜や指がついていかなくて、微妙に遅れる傾向。
(そんな微妙な差を、ソロなら何とか誤魔化せても、連弾ではズレてしまい致命的)
<メロディー>
・アウフタクトの曲なので、メロディーを弾き始めるタイミングが難しい。
・裏拍から始まることが多いため、入るタイミングが難しくてズレてしまう。
<編曲>
・1拍目が休符になることの多い編曲である。
・1小節全てが休符になる箇所で、間が持たずフライングしやすい。
・8分音符だったり3連符だったり、1コーラスごとにリズムが変わるので混乱しやすい。
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それが分かれば、シニアにとって「合わせやすい連弾」はどのようなものか?
が、見えてきます。
難易度……
・連弾の難易度は、その人が弾いているソロ曲よりも低めに。
(本人の7割の力で、余裕で弾ける難易度。)
選曲……
・アウフタクトではなく、1拍目から入る曲
・シンコペーションや裏拍から入る箇所がなるべく少なく、拍がはっきりしている曲
編曲……
・メロディーの1拍目が休符であっても、伴奏などに何か音が入っている編曲
・あまり長く間が空いていない。何か音が入っていて拍を数えられる方が、リズムが狂いづらい。
・色々なリズムに変えることをなるべく避けた編曲
いくら「弾きやすく」「合わせやすい」連弾であっても、
「原曲」とかけ離れ過ぎていて、「響き」も美しくないダサイ編曲では、
シニア生徒さんの満足度は低いでしょう。
逆に、「なるべく原曲の持ち味を残し」「なるべく美しい響きで」「なるべく素敵な編曲に」と望むと、難しくなってしまい、シニア生徒さんが弾けない。
その両方を、ほどよく満たすギリギリのところの編曲
……ああ、難しいものです。
以前、シニアのための編曲について色々書きましたが、
テクニック的な難易度は同じでも、
シニアにとっては、易しい曲と難しい曲がある。
と、改めて気づかされました。
まだまだ指導法研究を重ねていかなければ……。



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