生徒さんのご冥福を……お彼岸

お彼岸……を見て、故人を思い出し感謝する日
とのこと。
ずっと頭にひっかかっていた事がありました。
亡くなったピアノ生徒S子さんのことを、
脳がいきいき ピアノで指たいそう』の「おわりに」に書かせて頂いたにもかかわらず、
ご本人に許可を頂くことも、ご報告することも出来ないままでした。
喪中葉書にあったお嬢様の携帯に電話しようかと思うも、勇気がでなくて時が過ぎていました。
お彼岸の今、電話しなかったら、もう機会は無いだろう……
と、思い切ってかけました。
あいにく出ませんでしたが、着信を見たお嬢様から折り返しのお電話を頂きお話できました。
「『こんなことを書かせて頂きました』と、S子さんに一言お伝えしたいので、
少しだけお仏壇に置いていただきたく、本をお送りしてもよろしいでしょうか?」
とお願いすると、了承いただけたどころか、
「ありがとうございます!」と、逆に感謝されてしまい恐縮。
病弱のご主人が入っている施設にまめに行っていたこと、
元気ピンピンだった彼女が、台所で突然倒れ、そのまま亡くなったこと。
心筋梗塞で即死なので、苦しむことはなかっただろうとのこと。
数ヶ月後、彼女を追うようにご主人も亡くなったこと。
お嬢様からお話を伺うと、毎日、一生懸命に過ごし……
ピアノでも何でも一生懸命に取り組んでいた「彼女らしい最後」だったことが分かりました。
ピアノだけは、私が教えていたけれど、
主婦として、母として、人間として……私は彼女から、沢山の大切なことを教えて頂いた気がします。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
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