歳を重ねた方が、ピアノを弾くうえで「有利」な点

編曲するにあたり、シニアに人気の「映画音楽」のCDを聴きました。
その中の「狼は天使の匂い」という曲が、とても綺麗で、
どんな映画なのかと、DVDを見ました。
曲想から、甘く切ないラブストーリーを思い描いていたのですが……
実際は、バギュンバギュ~ンありアクションありの映画。
子どもを殺してしまった主人公の哀しい人生。
子どもを殺されたジプシーの深い悲しみ。
……そんな「どうにもならない切なさ」が底辺に流れていました。
それは、ショパンの感情表現に通じる気がしてきて、
ショパンのテキストを出し……。
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急には、前のように弾けないものの弾いてみると、
ナント、一音一音の味わいが違っていたのです。
昔は、楽譜通りきれいに弾けてマルになれば「はい、次の曲」。
でも今、映画を見て、どうにもならない悲しみを感じた後で弾くと、
この音、胸に刺さる
アッ アアッ……
などと、以前は感じなかったような発見や感動が。
音楽と人生とが重なったとき、
本当にその音楽を理解できるのだと思いました。
これこそ!
シニアの方たちのピアノを弾く上での強みであり、
心の楽しみや喜びなのでしょう。
テクニックという点では、子どもにかなわなくても、
音楽をより深く理解できるかという重要なところで、
人生経験の長いシニアのほうが有利だと、確信したのでした。
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夜、送り火を。また来年会いましょう♪