「18年間」教えた生徒さんとのお別れ

60代で、まったくの初心者からピアノレッスンを開始したMさん。
ピアノを楽しみ、お仲間と交流を楽しみ、いつも笑顔のMさん、
根を詰めて一生懸命に練習するタイプでした。 
コロナ禍……外出を控え、家で「食」を楽しんでいたらコロナ太りとなり、
ある日、目の奥にパーンと花火が散りました。
検査すると……動脈硬化。
動脈の血管が硬くなり、心臓で詰まったり(心筋梗塞)、脳で詰まったり(脳梗塞)が、
いつ起こってもおかしくない」状態とわかりました。
過度の集中やストレスも、リスクを高めるそうです。
つい根を詰めるタイプのMさんは、ピアノを辞める決断をされました。
運転中に起こってはいけないと、ご主人に運転してもらい、挨拶にいらっしゃいました。
「まさか60歳を過ぎてピアノを弾けるなんて、考えてもいなかったのに、
こんなに楽しむことができて良かったなぁと……ありがとうございました」
私は、何と言ったらよいのか言葉が見つかりませんでした。
でも、Mさんとご一緒できたことを、私も嬉しく思います。
18年間という年月……感慨深いです。
こちらこそ、ありがとうございました。
生徒さんとのお別れは寂しいです。
人間は「不老不死」ではないので、いつかはお別れが来ます。
でも、その限られた人生で、少しでも楽しい瞬間、幸せな時間をもてれば……。
そのお手伝いができれば、ピアノ教師として光栄に思います。
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紫陽花の季節に……