「息子にピアノを教えて欲しいのですが……」
「先生のような先生がいいんです!ぜひ……」
などと言われてしまうと、こう思う。
有難いこと。
人数的に大丈夫なのだから、入れてあげればいいのに……。
断るなんて傲慢。ナニ様のつもり?
でも、
「入会資格は60歳以上なので……、ごめんなさい。」
と、お断りする。
そんな時、この詩の断片が浮かびます。
…(略)…わたしは思いきって枝葉を落とすことにしました
わずかな枝を残して あとは ばっさりと切り捨てました
それは
根の弱い 幹の細い 力のない者が
なんとか自分を守りながら
生きてゆくための
消極的な、しかもそれなりに
勇気のいる生活の智慧でした
…(略)…とはいうものの…(略)…やっぱり寂しい気がしました
もったいないなあと思いました
…(略)…しかし おかげさまで…(略)…
弱かった根が新たな活動を始めたようです
切り落とした分だけ いや それ以上…(略)…
静かな充実感を持ちながら
(「ある日のつぶやきー切り捨てる」(相田みつを)より断片)