やるせない気持ち

98歳で……102歳で……親が亡くなった
という喪中葉書を読むと、
(決して喜ぶことではないけれど)
わぁ、大往生!! 長寿でお幸せな人生……というイメージをもちます。
しかし、亡くなったのが「生徒さんご本人」だと……
悲しく、やるせない気持ちに。
先月、苗字も名前も知らない人からの喪中葉書。
「誤って配達された?」
と、文面を読むと、
「母、○○○子(生徒名)が永眠……。
本来なら父○○よりご連絡するところ、父も療養中のため、
娘の私より……。」
嫁がれて姓がちがうお嬢様からのお葉書でした、
数年前、
「夫が病気になって世話が大変になり、
あんな大好きだったピアノに気持ちを集中できなくて……」
と、退会された生徒さんです。
今年のお正月、ご本人からの年賀状。
「ピアノを習っていた何年間は、私の人生にとって宝物です」
と、書かれていました。
「こちらこそ、○子さんに教えることができた何年間は、私にとって宝物です」
とお返事。
今考えると、もしかしたら死期を感じて、あのような年賀状を?
頭の中を色々な想いがめぐります。
また別の元生徒さんが、望んでいた「モーツアルトのレクイエム」を聴きながら旅立たれたとご家族から伺いました。
向かいのお宅のご主人が、好きだった「ホロヴィッツのショパン」を聴きながら息をひきとったことを以前に書きましたが、
好きな音楽を聴いて、愛する家族に見守られながら人生の幕を閉じる……
本当に幸せな最期だと思います。
人間の命は有限。誰でもそうです。
だからこそ、少しでもピアノで楽しい時間をもてれば……。
そのお手伝いを、少しでも出来れば……。
「このレッスンが、最後かもしれない」と思って日々、真剣に教えよう。
……そんな想いを、新たにした2022年師走。
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モーツアルトのレクイエムを、生で聴きたくなりました。